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日本人からまたノーベル賞受賞者が出ましたね!!やったー!!
とても誇らしいことなので、今日はノーベル医学・生理学賞に輝いた
北里大特別栄誉教授の大村智氏(80)についてご紹介したいと思います!

簡潔にまとめると、大村氏は、固定観念にとらわれない柔軟さと行動力で、微生物が作り出す天然化合物を次々に発見し、医薬品などの開発に繋げました。

大村氏が見つけた化合物は、熱帯地方の風土病の薬などで実用化されており、
医療や科学研究の発展に大きく貢献した功績が評価されました。

大村氏は昭和50(1975)年、静岡県内の土壌中で見つけた新種の放線菌から、
寄生虫や昆虫をまひさせる機能を持つ抗生物質「エバーメクチン」を発見。

この化合物は静岡県伊東市内の土壌中にいた新種の放線菌から見つかったそうですが、
発見者は不明だといいます。

「研究室のメンバーでとにかく土を取りまくっていたから、誰がこの土壌を持ってきたのか分からない」

と大村氏は笑います。

この薬剤は57年、アフリカなどの風土病である
「オンコセルカ症」にも極めて高い有効性を持つことが判明しました。
この化学構造を改良し、米製薬大手メルク社が
家畜の寄生虫駆逐剤「イベルメクチン」を開発・製品化しました。

大村氏は、「研究を経営する」という独自の考え方を持っています。
企業から研究資金を得て有用な化合物を見つけ、使用権を企業に渡す。
実用化されたら売り上げに応じた特許料を研究室に入れるというものです。
この方式で米国留学中に米製薬大手メルクと共同研究を始めたことが、
イベルメクチンの医薬品化に繋がったのだそうです。

「動物だけでなく人間にも効くと分かったとき、とてもうれしかった」。

オンコセルカ症は河川盲目症とも呼ばれ、線虫の幼虫が目に侵入して発症します。
途上国では失明の主な原因となる恐ろしい病気ですが、イベルメクチンによって症状の悪化を防いだり、
感染を防いだりすることが可能になりました。

そしてイベルメクチンは世界保健機関(WHO)を通じ、アフリカや中南米などで延べ10億人以上に無償提供され、多くの人々を失明の危機から救ったのです!

2013年にコロンビア、昨年9月にはエクアドルがオンコセルカ症の撲滅を宣言。
イベルメクチンは他の寄生虫やダニによる感染症の薬としても広く使われています。
大村氏は微生物から、多くの機能を持つ化合物を400種類以上も発見したのです。

この熱帯の人々を失明の恐怖から救った画期的な治療薬は、
常識破りの逆転の発想から生まれました。

20代の時、高校教師の傍ら東京教育大(現筑波大)の研究生になった大村さんは、
天然物有機化学の研究で著名な中西香爾(こうじ)氏の講義を聴き、学問への興味を深めていきました。

中西氏の紹介で東京理科大大学院に進学。
当時、日本に1台しかなかった核磁気共鳴装置(NMR)を使って、有機化合物の構造を決定する研究を積みます。
この技術習得が研究人生を大きく支えました。

昭和38年、山梨大の助手になり、酵母を使った研究に取り組みました。
ブドウ糖が一晩でアルコールに変わるのを見て、微生物の面白さに目覚めたそうです。

40年に北里研究所に技師補として入り、
抗生物質研究室で本格的に研究者としての道を歩み始めました。
天然化合物の構造を決定し、多くの研究者から注目を浴びる論文を執筆しました。
しかし、それは他人が見つけた化合物でした。

「楽をしているだけではないか。自分で物質を見つけたい」

この決心が、後の歴史的な新薬誕生に繋がったのです。

当時の抗生物質の研究は、天然の化合物から役に立つ性質を見つけ、その後に構造を決定するという流れでした。
しかし大村さんはその定石を無視し、逆をいきます。
化合物を見つけて構造を決定し、その後に性質を解明する作戦です。

「他人と同じことをやっていてもだめだからね」

熱帯の多くの人々を病魔から救った化合物「イベルメクチン」も、
この逆転の発想がなければ見つからなかったと大村氏は振り返ります。

研究室が見つけた化合物は実に500種類近くに及ぶ。
英語名の頭文字はAからZまであり、うち26種類が実用化されました。
これだけ発見するのは並大抵のことではなく、

「世界でもうちくらいだろうね」

と話しています。

実験はいつも長時間に及んだが、つらいと思ったことはないとのこと。
スポーツで培った体力や精神力に加え、持ち前の明るさで乗り越えてきました。

「子供時代の野良仕事と比べれば、特段大変じゃないんだよ」

と笑います。

今回の大村氏の受賞から、
何事も諦めることなく人と違うことに挑戦することの大切さを学びました。

日本のノーベル賞は昨年の物理学賞3人に続く受賞で計23人、
医学・生理学賞は利根川進氏、山中伸弥氏に次いで計3人となりました。
今後も日本からどんな受賞者が出てくるか楽しみですね!
次は、、、あなたかもしれません。

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