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かつては毎日のように地上波にて放送されていたプロ野球中継だが、これまで10%以上の視聴率を獲得していたジャイアンツ戦でさえ放送が行われない日があるほど、現代人の「プロ野球離れ」は著しい。

まだ日本のメジャースポーツといえば野球という認識を多くの人が持っており、スポーツニュースの中でも取り上げられる時間は比較的長いものの、近年のプロ野球界の人気低迷によって、数十年後にはサッカーなど他のスポーツにその座を奪われてしまう可能性も少なくないといったところが現状である。

プロ野球におけるビジネスモデル、つまり顧客へどのような価値を提供し、そこからどのように収益化を図るかという部分を考慮しても、現代のプロ野球界の人気低迷は深刻な問題であり、日本経済に与える影響も大きい。プロ野球の提供価値はもちろんエキサイティングな展開の試合や、個人のプレイヤーの魅せるプレーなどとなるが、収益モデルとしては、それによって得る入場料そして、広告およびシナジー効果により、本業ビジネスの売上向上というのがかつての方法であるが、プロ野球に対する人々の関心が低下する中で、どうやって利益をあげていくのか、新たなビジネスモデル構築の必要性を高まってきている。では、どのようなビジネスモデルが日本のプロ野球界における問題を解消することになるのか、そのひとつとして、以下のような案が検討されている。

 

 

★各地域における密着型ビジネスモデルの構築

イメージとしてはJリーグのようなクラブチームの構造に近い。それぞれの地域に密着をして、溶け込むことで、その地域のからの人たちから支援を得る。観客にホームグランウンドとなる球場まで足を運んでもらい、各地域におけるスポンサー広告および放送局の放映料を増加させていく。球場との関係性もWin-Winとし、球場使用料を押さえて、食料品や関連グッズの販売代金の一部が球団へと入るような仕組みを作る。

様々な企画の実施によってそれぞれの地域および地域住民とのコミュニケーションも活発に行い、ただただ野球観戦のみに限らず、その他の部分で楽しみや興奮など、ファンの人達に提供するべき新たな価値を創造しそれを拡大させていく。つまりは顧客に対して球団側から提供をする価値も増やし、最終的な収益となる方法も増やすというモデルとなる。東北楽天ゴールデンイーグルスは、すでに上記のような活動を行っている。

しかしながら、このモデルにおける弱点として挙げられているのが、日本国内においては、東京そして大阪、加えて名古屋の集中度が特に高いという部分。中でも東京は最も大きな市場であるにも関わらず、地元に対する愛を比較的感じにくい場所であり、大阪は阪神タイガースのイメージが強くなってしまっていることでと、他の地域と同様に2チームが球団経営できる状況下ではない。各地域における密着型ビジネスモデルの構築のためには、こういった部分を問題解消が先決となる。

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