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今月16日に今シーズン限りでの現役引退を表明した澤穂希選手から学ぶ5つの流儀についてご紹介したいと思います。

*1、悔いなく、やりきることの重み*

「悔いなく、やりきった」

会見で、澤選手はこの言葉を5度も繰り返しました。
そこに強がりは感じられません。
24年間の現役生活を全力で駆け抜けた達成感がにじみ出ていました。

全てのアスリートが、いつかは現役を退くことになります。
その中で、自分の持てる力すべてを出しきり、“悔いなく”引退すると言い切れる選手が、果たしてどれだけいるでしょうか。

2012年のロンドン五輪は銀メダルに終わりました。
そのリベンジを、2016年のリオデジャネイロ五輪で果たしかったという悔いはないか?という記者の質問に対しても「全くないです」と言い切りました。

*2、何よりも仲間を尊重*

会見では、時折言葉を詰まらせるシーンもありました。

「チームメートの顔を見たり、思い出したり…。
今まで苦しい時も一緒にやってきた仲間のことを思うと、胸がいっぱいになります」

その姿は、自分のキャリアが終わることよりも、これまで共に戦ってきた「家族のような仲間」とサッカーができなくなることに寂しさを覚えているように見えました。

24年もの間、現役生活を続けられた理由についても、

「やはり仲間です。仲間がいなければサッカーはできないですし、自分自身のプレーを生かしても らえない。
辛い時はみんなが支えてくれて、楽しい時はみんなで笑った。
本当に最高の仲間がいてくれたからこそ頑張れたサッカー人生でした」

と力を込めていました。
成功の数々は、決して自分一人の力で勝ち取ったわけではないことを、澤選手はよく理解していました。

*3、どんな時も“常に100%”で*

女子日本代表、通称「なでしこジャパン」の佐々木指揮官は、引退に対してこのようなコメントを寄せました。

「長年、日本の女子サッカーをリードしてきて、代表でも数々のワールドカップや五輪に出場した偉大な選手。
ここぞというときに点を取り、さまざまな戦いで勝利に導いてくれました。
私自身が出会ったなかでも特別な選手です」

ここぞというときに結果を出す―。
その秘訣は、彼女のこんな発言に隠されているのではないでしょうか。

「自分は練習でも100%でやってきた。
練習で100%でできなければ、試合でもできないから。
正直、練習で手を抜こうと思えば絶対に抜けると思います。
でも、私はそういうのが嫌い」

うちの会社でも、Q末によくこの言葉を耳にしますよね。
どこの世界でも理屈は同じなのかもしれません。

*4、“結果”を出さなければ意味がない*

1993年、彼女は日本代表のユニフォームに初めて袖を通しました。
もちろん当時は、日本の女子サッカー界における黎明期です。

それから18年後の2011年。
ワールドカップドイツ大会で世界の頂点に立ったことで、なでしこジャパンを取り巻く環境は激変。
あまりにも大きなその“振れ幅”を体感しているからこそ、澤選手の言葉は説得力を伴ってこちらの耳に届きます。

「やはり結果がすべて。
本当に今の若い子は遠慮している部分が多いなとすごく感じます。
のびのびやってほしい気持ちもありますが、やっぱり勝負、結果にこだわって、より一層頑張ってほしいと思います」

*5、“楽しむこと”こそが成長の秘訣!*

とはいえ、“楽しむこと”だって忘れてはいけません。

「ここまで何十年もやれるというのは、純粋にサッカーが大好きだったから。
その思いだけです。サッカーが嫌いになったことは一度もないですね」

記者から「日本女子サッカーの魅力」を尋ねられた時の回答です。
そこにも、澤選手の成長の秘訣が隠されています。

「純粋にみんながサッカーを大好きなところ。
サッカーがうまくなりたくて、ひたむきに、最後まで諦めない。
そういうところに魅力があるのかなと思います」

最後まで全力で楽しんで、100%でサッカーを続けてきた澤選手ですが、私達は普段の生活を、100%全力で出来ているでしょうか。
時々は力を抜くことがあっても、常に後悔のない生き方をしていきたいと澤選手の会見の言葉を聞いて改めて強く感じました。

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