記事の詳細

皆さんは何かお気に入りのシャンプーやリンスのブランドはありますか?🚿

今日は、数あるブランドの中でも、【花王】に注目したいと思います。
洗剤の量を4分の1にまで減らした世界初のコンパクト洗剤「アタック」、
日本家庭の定番商品ともいえるフロア用掃除用具「クイックルワイパー」、
脂肪を消費しやすくするという機能により、
特定保健用食品の指定を受けた「ヘルシア緑茶」など、
花王からは今まで市場になく、ユニークで高い機能的価値を持つ革新的な商品を
次々と開発していますよね。

■花王アジエンス:大ヒットの秘密はヘルシア緑茶や柔軟剤のノウハウ活用!

2003年に花王が発売した「アジエンス」は、
ボリュームゾーンのシャンプーよりも高価格であるにも関わらず、大ヒットとなりました。
もともと、花王には「メリット」という日本の定番シャンプーとも言える商品がありました。
しかしながら、メリットは主婦が家族のために買うシャンプーであったため、
女性が自らのために購入するシャンプーを開発することがアジエンス開発の始まりでした。

当時、こうしたシャンプーといえば欧米のイメージの強い商品が大半でしたが、
花王は東洋のイメージを強く打ち出した商品を展開することにしました。
「外から足りないものを補う」のではなく、「内面から美しく」という
東洋美容の考え方に基づいた東洋人ならではの美しさを強調する狙いもありました。
また、消費者へのリサーチを踏まえ、
「結っても跡がつかないほどの洗い上がり」を実現できる
高い弾力性を持つ商品を、機能性におけるメインのコンセプトとしました。

そのために、まず東洋のイメージに関して、
単に東洋を感じさせる成分を加えるというレベルにとどまらず、
髪に対して良い効果を持つ下記成分を配合しています。

・大豆・真珠プロテイン(補修成分)
・米・朝鮮人参(保湿成分)
・ユーカリ(保護成分)

こうした成分の選択や抽出に関しては、ヘルシア緑茶の開発過程で植物成分を分析し、
豊富なデータをそろえていた生物化学研究所の知見が生かされているのだそうです。

また、高い弾力性に関しては、
衣料用の柔軟剤に使われる活性剤に関する豊富な知識を有する
素材開発研究所と共同で応用研究を行い、実現しています。
このようにアジエンスの開発には、様々な社内の研究所の知見がうまく活用されているのです。

花王は基本的に事業部制であり、
商品ごとに開発などの機能が分かれているものの、
こうした基礎研究を担う研究所は、どの商品にも属さない形態となっており、
基盤技術系の研究所(生物化学研究所や素材開発研究所など)と
商品開発系の研究所(ヘアケア研究所など)が交差する
マトリックスが構築されています。

基礎研究を担う研究所が仮にどこかの商品群に属していたならば、当然のことながら、積極的に他の商品群に協力する必要はなく、円滑に事が進まないケースも往々にしてあるはずです。
花王では、基礎研究に関する知見を全社的に共有化しやすい組織が
既に構築されているのです。

また、技術者の評価に関して
取得した特許数などで評価してしまう企業も多いようですが、花王ではいかに商品化に貢献したかで評価されます。
よって、営業マンのように
「自分はこんな研究をしているが、何か商品化に貢献できないか」
と売り込みに全社を回るようなことも少なくはないようです。

こうした組織づくり、人事評価の仕組みが、
花王の顧客ニーズにマッチした革新的な商品の誕生に大きく貢献しているのですね。

普段何気なく使っている商品でも、
こうした背景を知っていると、商品を見る目も変わりますよね💡

関連記事

おすすめ記事

登録されている記事はございません。

ページ上部へ戻る